人を操る禁断の文章術

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★★★

文章が持つ強い力を知り、それを操る

研究の仕事を始め、色々な申請書を書いたり、企画書を提出するようになってから、「心に刺さる文章」について強く意識するようになりました。

 

この本では、

相手の心に刺さり、行動を起こさせる文章

について、人の心を読むメンタリズムの法則と絡めて説明されているのですが、

まずタイトルが、私のような悩みや欲求を持つ人達に刺さる表現で、説得力を感じました。

 

本書では、最初に一つの質問が投げかけられます。

「あなたの思う、世界最高の美女とは?」

 

私は「うーん、見たことないけど、クレオパトラとか?」と思いました。

正解はないのですが、ここで著者のDaigoさんが伝えたかったことは、

「このように文章で問いかけると、読者は頭の中で各々にとっての世界最高の美女を想像する

ということです。

描いた女性の姿形は皆違いますが、すべて、その人にとって間違いなく世界最高の美女なのです。

これが、隣に誰かの写真があると、そうはいきません。

 

このように、文章の持つ力は、相手の想像力を掻き立てることができると無限の力を発揮します。

しかも、会話やプレゼンはそれきりの効果しかありませんが、

文章は、一度書いてしまえば、何年後かに読んだ人に対しても同じようにインパクトを与えることができ、半永久的にその力が持続するのです。

 

確かに!

 

私は過去の偉人達の金言集を読むのが好きなのですが、どれも短い文章の中に鋭い内容が込められていて、

当人が亡くなってからどれだけ時間が経過していても、未だに私を含めた無数の人々の心を掴んでいます。

文章が持つ力は無限大

本書の第1章は、どのような文章が力を発揮するかについて、多くの例を挙げて説明されていました。

大事なのは、読む相手が、

「読む」→「言葉に反応する」→「想像する」→「行動を起こす」

というサイクルを回すこと。

そのために心がけるべきことは、

「綺麗すぎる文章は伝わらない」

ということです。

綺麗にまとまった文章ではなく、読みやすく、読者の心に刺さる言葉を使い、抑揚をつけて、相手の想像力を掻き立てる文章にしなければなりません。

「書かない」3原則で人を操る

読み手の心を動かし、行動へと導く文章の秘訣は、3つの「書かない」。

    1. あれこれ書かない
    2. きれいに書かない
    3. 自分で書かない

 

あれこれ書かない

あえて短い文章で相手の想像力を利用して、行動を導く。

人は、受け取った情報が足りない時は想像や予測で補う習性があるそう。この想像や予測の基になるのは、その人の知識や経験です。

文章を書く時、色々と説明するのではなく、あえて情報量を少なくして隙間を作ることで、読み手が都合のいいように想像してもらう、ということ。

 

これは、絵本や詩などで特に重要視されると思います。

色々説明している絵本や詩は、魅力なく感じますよね。

 

でも、この「書きすぎない」法則は、すべての文章に当てはまると思います。

ブレーズ・パスカルが友人に当てた手紙で

「今日は時間がなかったために長い手紙になった。」

と記述したことからも、

文章を「削る」ことの重要性が伺えると思います。

 

きれいに書かない

真面目な人ほど、

「時候の挨拶から始めて……この結びを使って……」

と、きれいな文章を書こうとしますが、

「きれいな文章=表面的な文章」

となり、相手の心には刺さらないとのこと。

具体性のある言葉、相手の興味や近況を加味した言葉……

このような言葉を使って、読み手の心と結びついた文章が、読み手の印象に残るのです。

 

自分で書かない

3番目の「自分で書かない」の意味は、

「文章は自分で考えるな。書くべきことは相手の心の中にある。」

ということ。

 

「誰が読むのか?」

と考え、情報を集めて文面を練っているかいないかで、文章の仕上がりに歴然とした差を生み出します。

 

まずは、読者のターゲットを絞り、年齢、社会的背景、近況などの情報を集めて、心理指向を読み取る。

その上で、どのようなキーワードをどのように盛り込めば、相手が「読みたい」と感じ、想像力を掻き立てるか考えながら文章を練ることが大切です。

 

自分の書きたいことをただ書いているだけでは、誰も読んでくれない……その通り!

人を動かす7つの引き金

いい文章とは、相手の心に寄り添い、相手を誘導する文章のこと。

そのためには、読み手を観察し、その文章を「読みたい」と思う内容=相手の欲求に刺さる言葉を散りばめることが効果的です。

本書では、それを

「感情を揺さぶり、人を行動に駆り立てる7つの引き金」

として紹介しています。

人を行動に駆り立てる7つの引き金

    1. 興味
    2. ホンネとタテマエ
    3. 悩み
    4. ソン・トク
    5. みんな一緒
    6. 認められたい
    7. あなただけの

ほとんどは、以前読んだ

伝え方が9割

という本に書かれている内容と同じだと感じたので、ここでは省略します。

5つのテクニックに従って「書く」

上記のポイントを踏まえた上で、実際に「書く」作業に入ります。

「文章のテンプレート」として、気をつけるべき文章構成を、5つのポイントに絞って説明されています。

 

書き出しはポジティブに(初頭効果)

人は、第一印象の影響から離れられないものであり、「書き出し」は文章の「初対面」と同じです。

最初の印象がポジティブであれば、文章全体に良い印象を与えることができます。

 

メールは、

「お疲れさまです。」

ではなく、

「おはようございます!」

といった、ポジティブな内容で書き始めます。

 

何度も繰り返す

何度も繰り返すことで、説得力が上がります。

本書では、社会心理学者ウィルソン氏の実験を取り上げていました。

同研究では、ある民事裁判の実験での説得力を検証したところ、

3回の繰り返しで46%、10回の繰り返しで82%も説得力が向上したとのこと。

繰り返しの威力を示しています。

ただ、ここで重要なのは、

同じ言葉を3回以上使ってはいけない

ということ。

同じ「意味」と「感情」を繰り返し伝えることで説得力が向上する一方、同じ「言葉」を繰り返すと相手は飽きてしまうそう。

……わかる気がします。

 

話しかけるように書く

会話は、文章よりも記憶に残ることが多いので、

会話と同じような構成で文章を書くと、読者の記憶に残りやすくなるとのこと。

具体的には、1人2役を演じて、自分と相手との言葉のキャッチボールを想像し、それを取り込んで文章にするとよいそうです。

 

上げて、下げてまた上げる

大ヒットの映画や小説などには、必ず「上げて、下げてまた上げる」構成になっているとのこと。

平坦な構成だと感動がありませんが、内容に抑揚をつけることで、より印象的な文章に仕上げることでできます。

ここで重要なのは、「上げて、下げてまた上げる」のは、あくまで「相手の感情」ということ。

ストーリーには自分の感情を元に展開させるのではなく、読み手の心の動きに沿って展開させなければ意味がありません。

 

追伸をつける

あらゆる文章の中で人が最も読み、心に残るのは追伸部分だそうです。

それは、「人間は、達成した課題よりも、達成されなかったことや中断されていることをよく覚えている(ツァイガルニク効果)」から。

完結した本文の後にちょっとした追伸を入れることで、人はその追伸部分を最もよく覚えるそう。

ここで大事なことは、「本文が完結している」ということ。

そうしないと、ただのまとまらない文章になっちゃいますね。

まとめと感想

元々文章を書くのは好きでしたが、文章の持つ無限の力について色々と例をあげて紹介されていて、「うんうん」と納得する内容ばかりでした。

どのような文章が心に刺さるのかについてのテクニック集については、あまり真新しいものはなく、

日頃から意識している内容が多かったですが、

無意識に行っていることも文章で具現化されていたので、明日からより意識して文章をかけるんじゃないかと思います。

 

「心に刺さる」「記憶に残る」文章をかけるよう、練習を重ねていきたいです。

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