同じ内容でも、Yesを引き出す伝え方がある
同じ内容でも、人の心を掴む強いコトバがある
この本は、数々のコピーライターの賞を受賞している著者が、
「人からYesを引き出す伝え方」
「人の心を掴むコトバの使い方」
のレシピを、惜しげもなく紹介している内容となっています。
興味深いのは、
もともと著者は文章表現が苦手にも関わらず、
たまたま入社先でコピーライターに配属され、
しばらくは仕事ができず辛い体験をしていたそうです。
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ところが、「伝え方」の勉強を重ねてもがいていたある時、
「伝え方にはシンプルな技術がある」
「感動的なコトバは、つくることができる」
という事に気づき、
そこからその方法を体系立て、活用することで、
人生が変わった、
と書かれています。
「伝え方」の技術として、
前半には ”1.No を Yes に変える技術”
後半には ”2.「強いコトバ」をつくる技術”
が紹介されています。
No を Yes に変える技術
Step1. 自分の頭の中をそのままコトバにしない
Step2. 相手の頭の中を想像する
Step3. 相手のメリットと一致するお願いをつくる
ストレートに相手に自分の要求を口にした場合、
もともと相手がその気なら「Yes」
相手にその気がないなら「No」
という返事が返ってきます。
「Yes」の確率を上げるためには、
「自分の要求」ではなく、
「相手の立場に立った提案」
という形にする事が重要です。
そうすると、
相手が「その気」になる確率が上がり、
Yesを引き出しやすくなるのです。
そのための7つの切り口がこちら↓
Yesに変える7つの切り口
「相手の好きなこと」にのせる
「デートしてください」
→ 「驚くほど旨いパスタの店があるけど、行ってみない?」
「後方のお客様、前のお客様が出られるまで、お席でお待ちください」
→「ごゆっくりお支度ください」
「相手の嫌いなこと」を回避する方法をとらせる
「芝生に入らないでください」
→「芝生に入ると農薬の匂いがつきます」
「選択の自由」を与え、どちらを選択してもYesになるようにする
「デートしてください」
→ 「驚くほど旨いパスタの店と、石窯フォカッチャの店どちらがいい?」
「認められたい欲」を掻き立てる言い方
「残業お願いできる?」
→「君の企画書が刺さるんだよ。お願いできない?」
「あなた限定」感をだす
「お願いします。」
→「あなただけにはお願いしたい。」
「一緒に○○しよう」というチームワーク感をだす
「勉強しなさい」
→「一緒に勉強しよう。」
「ありがとう」という感謝の気持ちを添える
「トイレは綺麗に使ってください」
→「いつもトイレを綺麗に使っていただきありがとうございます」
「強いコトバ」をつくる技術
コトバのエネルギーをうむために・・・
サプライズ法
「!」やサプライズのコトバ「あ、」「そうだ、」など、サプライズのコトバを付けてコトバに生命力を注ぐ。
「そうだ、京都、行こう」(JR東海)
ギャップ法
言いたいことの前に、それと反対の内容を前置きすることで、ギャップによるコトバエネルギーをうみだす。
「これは私の勝利ではない。あなた方の勝利だ。」(オバマ大統領就任演説)
「事件は会議室で起きているんじゃない。現場で起きているんだ。」(踊る大捜査線)
赤裸々法
普段コトバにしないような体の反応を添加する。
「くちびるが震えてる。あなたが好き。」
リピート法
繰り返す。
「まいにち まいにち ぼくらはてっぱんの~」(およげたいやきくん)
「会いたくて 会いたくて 震える~」(西野カナ『会いたくて会いたくて』)
クライマックス法
一番のポイントを話す前に、それを示す前置きをつける。
「これだけは覚えてほしいのですが、~」
「ここだけの話ですが、~」
「3つコツがあります、1つ目が~」
感想と私のアクションプラン
YesをNoに変える技術、強いコトバの技術、どちらも明日から使える方法ですが、
私は今回、特に「Yes→No」の技術を参考にさせていただきました。
今、ボスからやらされているプロジェクト。
雑用が多く、他の人の手を借りたいけど借りられず、泣きたい状況が続いてもう2年近くなります。
一度はアシスタントをつけるように言われたのですが、その後ボスの気が変わり、
「しばらく一人でするように。」
と言われました。
何度か「忙しいからアシスタントをお願いしたい」
と直訴してみたのですが、
今まではボスへの頼み方が悪く、
「あなたにアシスタントをつけるのはまだ早い」
と、冷たくあしらわれていました。
今回は、この本のテクニックを取り入れてボスにお願いしてみました。
内容としては、
「以前、○○にこのプロジェクトに入ってもらい、
私の仕事を手伝いながら研究のノウハウを勉強してもらう、
と言われていた件ですが、
彼と直接話しができないまま、COVID19の自宅待機が始まってしまいました。
大学がPhase IIに入り、実験を再開したいと思いますが、
彼に以前持ち上がっていたこの話を提案してもよいでしょうか?
それとも、Phase IIIになって、全員が全日働けるようになるまで待った方がよろしいでしょうか?」
という感じ。
使ったテクニックは、主に2つ。
1.この要求は私のためだけでなく、彼の勉強になることを提案している、という雰囲気をだす。
2.近々話すのと、もう少し待ってから話をするのとどちらがいいか、という選択肢を出して、どちらを選択しても、彼に提案できる状況に持っていく。
アシスタント候補の人には、下記のように話を進めていきました。
1.作業だけではなく、学びの機会を提供する
→ 相手の好きなことからアプローチ
2.貴重なサンプルで失敗したくないので、他の人には任せられない。あなたの高い技術が加われば、このプロジェクトは成功する
→ あなた限定感を出すと同時に、認められたい欲を刺激
結果は、
「OK!」
頼み方を工夫しなかった場合が「No」だったかどうかわかりませんが、
今回は欲しかった反応を得ることができました。
これからも、これらの技術を普通に使いこなせるよう、
日々意識して練習していきたいと思います。
また、「強いコトバ」の技術は、
プレゼンや講演で大いに生きてくると思います。
私は特にプレゼンの機会が多いので、
原稿作成の時にもう一度読み返し、これらの技術を取り入れていきたいと思います。