渡米してしばらく、私も家族も異国での文化の壁に対応できず、毎日泣いて過ごしていた頃、
ふと図書館で目に止まったこの本に惹きこまれ、すぐにKindleで原著・和訳を共に購入、さらに書籍も取寄せました。
スティーブン・R・コヴィー氏によって書かれ、1989年に出版された「The 7 Habits of Highly Effective People」という本です。
1996年には日本語版「7つの習慣」を出版、現時点で44か国語に翻訳され、全世界3000万部、日本でも200万部を売り上げているとのこと。
それだけの人達を惹きつける内容だという事でしょう。
20代の頃に出会っていたら、私の人生も変わっていたかもしれないと一瞬思いましたが、たぶん、「今」だからこそ、ここまで共感し、これからの人生に反映させたいと考えるのかもしれません。
日頃からぼんやりと考えてきたことが、文章で体系化されているように感じるのです。
本当は、他にも読んでもらいたい人がいるのですが、勧められて素直に読む人ではないので・・・普通に説得失敗。
内容を一言で説明できるものではないので、まずは私が熟読・理解し、ある程度自分の考えと融合できてから、改めて勧めたいと思います。
以下、さわり部分の抜粋——
パラダイムシフト
誰しも、自分は物事をあるがままに、客観的にみていると思いがちである。だが実際はそうではない。私達は、世界をあるがままに見ているのではなく、自分自身が条件づけされた状態で世界を見ているのである。
(中略)
相手と意見が合わないと、相手の方が間違っていると瞬間的に思う。
(中略)
自分のパラダイムを見つめ、現実に擦り合わせ、他の人の意見に耳を傾け、その人のパラダイムを受け入れる。その結果、はるかに客観的で、より大きな絵が見えてくるのである。
インサイド・アウト
「7つの習慣」とは、原則を中心に捉え、人格を土台とし、インサイド・アウト(内から外へ)のアプローチによって、個人の成長、効果的な人間関係を実現しようという思考である。
(中略)
eg.
- 貴方が幸福な結婚生活を望むなら、まずはあなた自身がポジティブなエネルギーを生み出し、ネガティブなエネルギーを消し去るパートナーになる。
- 10代の我が子にもっと快活で協調性のある人間になってほしいと望むなら、まずはあなた自身が子どもを理解し、子どもの視点に立って考え、一貫した行動をとり、愛情あふれる親になる。
- 仕事でもっと自由な裁量が欲しければ、もっと責任感が強く協力的で、会社に貢献できる社員になる。
- 信頼されたければ、信頼されるに足る人間になる。
(中略)
インサイド・アウトのアプローチでは、公的成功を果たすためには、まず自分自身を制する私的成功を果たさなくてはならない。
自分との約束を果たす事ができて初めて、他者との約束を守る事ができる。自分自身を高めずに他者との関係が良くなるわけがない。
依存—自立—相互依存
成長の連続体の原則
誰しも他者に100%依存しなければならない赤ん坊として人生を踏み出す。
年月とともに、肉体的、知的、感情的、経済的にだんだんと自立していく。
成長し、成熟していくと、社会を含め自然界(Nature)の全ては生態系という相互依存で成り立っている事に気づく。さらには、人間の生活そのものが相互に依存しあっている事を発見する。
成長の連続体では、
依存は「あなた」というパラダイムを意味する。あなたに面倒をみてほしい、あなたに結果を出してほしい、あなたが結果を出さなかった、結果が出ないのはあなたのせいだ、というパラダイムである。
自立は「私」というパラダイムである。私はそれができる、私の責任だ、私は自分で結果を出す、私は選択できる、ということである。
相互依存は「私たち」というパラダイムである。私たちはそれができる、私たちは協力しあえる、私たちがお互いの才能と能力を合わせれば、もっと素晴らしい結果を出せる、と考える。
依存状態にある人は、望む結果を得るために他者に頼らなくてはならない。
自立状態にある人は、自分の力で望む結果を得られる。
相互依存状態にある人は、自分の努力と他者の努力を合わせて、最大限の成功を手にする。
ここで気を付けておきたい事は、「依存」という概念についてです。
多くの人が、「自分はそんなに他人に依存していない」と考えるかもしれません。
けれども、ここでいう「依存」とは、内的な依存心ではなく、外的な要因に依存する、という事です。
例えば、他者の弱さに気持ちを振り回され、あるいは他者や物事が自分の思い通りにならないとといった時に、外に原因を求めて被害者意識を持つのは、外的な要因に依存しています。
このような考え方をシフトし、真に「自立」する必要があります。
コヴィー氏によると、相互依存は、自立した人間になって初めて選択できる段階であり、依存状態からいきなり相互依存の段階に達しようとしても、その人格に達していないから無理、という事です。
「7つの習慣」は、この「依存→自立→相互依存」へ成長するために必要な事を7つの事項に分けて説明しています。
(後に「第8の習慣」が出版されますが——私はまだこの段階に達していないので、これは将来の目標としておこうと思います。)
私的成功
「依存」状態から「自立」状態まで成長したときに、人格の成長に不可欠な、私的成功を収める。そのための3つの習慣——
1.主体的である
2.終わりを思い描く事から始める
3.最優先事項を優先する
公的成功
真に「自立」した人間になれば、効果的な「相互依存」の土台ができる。この人格の土台の上に、公的成功を築いていく。そのための3つの習慣——
4.Win-Winを考える
5.まず理解に徹し、そして理解される
6.シナジーを創り出す
そして、それらすべての習慣を取り囲むのが、再新再生の習慣——
7.刃を研ぐ
成長という上向きの螺旋を生み出す継続的改善であり、この螺旋を登っていくにつれ、第1から第6までの習慣をより高い次元で理解し、実践できるようになる。
・・・一つ一つの習慣は、それぞれ密度の濃い内容なので、折をみて。