今年夏に発売された、水野敬也さんの「夢をかなえるゾウ」第四弾。
今回は、「生と死」という、重いけれども、人生で必ず直面するテーマに挑んでいます。
主人公は、綺麗で優しい妻と、純真で元気な娘を持つ、極普通のサラリーマン。
日常の小さな幸せを噛み締めながら毎日生活しています。
けれども、検診でちょっと引っかかって精密検査を受けた結果、彼は、医師から「余命3ヶ月」と宣告されました。
いきなり目の前の幸せが奪われる恐怖と怒り、そして残される妻子への想い…
彼はまさか自分が死ぬとは思っていなかったので、生命保険にも入っていなかったし、自分の死後に妻子が不自由なくくらせるような貯金もありませんでした。
そこにガネーシャと死神が現れ、
3ヶ月で妻子に残すお金をつくる方法、
悔いなく人生を終われる方法
等、を提案します。
そして、いつものように課題を通して主人公に考える機会を与え、
彼の毎日の言動は変わっていきます。
自分の毎日の言動を省みると、
明日も明後日もしばらく永遠に続く事を想定して
時間を無駄にしてしまっている事が多いように思います。
「今日が人生で最後の一日だとしたら、私は今日やろうとしたこごを本当にやりたいだろうか。」
スティーブ・ジョブスがスタンフォード大学の卒業祝がスピーチで述べた言葉ですが、Youtubeでこのスピーチを聞いたときに衝撃を受けた事を思い出しました。
本書のなかで、死神は「人間が死に際に後悔する内容」を主人公に伝えます。
- 本当にやりたいことをやらなかったこと
- 健康を大切にしなかったこと
- 仕事ばかりしていたこと
- 会いたい人に会いに行かなかったこと
- 学ぶべきことを学ばなかったこと
- 人を許さなかったこと
- 人の意見に耳を貸さなかったこと
- 人に感謝の言葉を伝えられなかったこと
- 死の準備をしておかなかったこと
- 生きた証を残さなかったこと
今の私も、死に際、同じ事を後悔するように思います。
最終章、「死」に対して向き合えない主人公に、ガネーシャは問いかけます。
「自分はどこからどこまでが『自分』なのか」
「なぜ現代の人間にとって死は辛いのか」
簡単に答えの出る問題ではないですが、
確実に言えるのは、
自分はいつか死ぬが、それは明日かもしれないし、数十年後かもしれないし、だれにもわからない、という事。
明日死んでも残された人達が困らぬよう、
自分の「死後」の準備をしておくこと。
そして、明日死んでも自分が後悔しないように
毎日を「生きて」いくこと。
この2点を常に心に留め、生活していこうと思います。
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