隣のサイコパス

隣のサイコパス(名越 康文 監修)

隣のサイコパス

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サイコパスとは

「サイコパシー」「サイコパス」という名称は、主に異常心理学などの分野で使われる心理学用語です。

「DMS-5 精神疾患の分類と診断の手引」においては、

「サイコパシー」「反社会性パーソナリティ障害」に分類され、

その基準を満たす人を「サイコパス」と呼びます。

 

「サイコパス」という響きから、残虐な犯罪者などをイメージしがちですが、

このような人々を「反社会性サイコパス」と呼びます。

 

しかしながら、サイコパスの資質があっても、その大半は犯罪を犯すことなく

一般の人々とともに普通に社会生活を送っており、

そのような人々を「好社会性サイコパス」と呼びます。

 

本書では、そのような「好社会性サイコパス」について、

7人の異なる年齢・職種の人たちを例に、

漫画でわかりやすく説明してくれています。

反社会性パーソナリティー障害の診断基準【DMS-5】

DMS-5の診断基準として、

被験者が15歳以上で下記7つの特性のうち3項目以上が当てはまる場合に疾患の可能性が考えられるとされています※1

  1. 法律にかなって規範に従うことができない、逮捕に値する行為
  2. 自己の利益のために人をだます
  3. 衝動的で計画性がない
  4. けんかや暴力を伴う易刺激性※2
  5. 自分や他人の安全を考える事ができない
  6. 責任感がない
  7. 良心の呵責がない

※1 判断には最低1年以上の観察期間が必要
※2 ささいな事をきっかけに不機嫌な態度で周囲に反応しやすい状態のこと

 

好社会性サイコパスの人たちは、

犯罪は犯しませんが、

その特有の気質のため、周囲とのトラブルは必至、

ということです。

 

そして、その人たちは自覚がなく、それで困ることもないので、

精神科を受診することもないし、

周囲から連れてこられたとしても治療を望むことはほとんどないそうです。

 

また、周囲の人たちも、その人がサイコパスだと気づくことなく、

ターゲットとなった人が疲弊していく事が多いとの事。

さらに、良心の呵責にストップをかけられることなく自我を貫くサイコパスの姿勢は、
迷いの多い一般の人たちにとって、とても魅力的に感じられ、その人の信者となる事も多いそうです。

私の場合

私は、以前、この基準に当てはまる人と仕事をしたことがあります。

 

その人の下に配属される前、

「あの人はサイコパスで、あなたはターゲットになりそうだから気をつけて。」

と、何人かの人から注意喚起されました。

 

でも、その時の私は、サイコパスとは何かよくわかっておらず、

周囲の人たちも定義を知らないまま使っていると思いました。

 

初対面の時に

「この人は注意が必要だな。」

とは思いましたが、

注意しながらうまく付き合えば、大丈夫なんじゃないかと思っていました。

 

でも実際は、自分が疲弊していきました。

 

その人は、自分の都合の良いように、真実を織り交ぜながら、匠に「嘘」をつきます。

そしてその嘘を使って、

攻撃対象となった人たちに対しては直接的/間接的に徹底的に攻撃し、

利用対象とたった人たちに対しては徹底的に利用して、相手が自分の思い通りにならない行動をとるとキレます。

また他の人たちに対しては、自分がいかにその部署や相手のために尽くしてきているかを徹底的にアピールし、信頼を得ようとします。

時には涙も使います。

 

厄介なのは、自分の作ったストーリーを、自分でも本当だと信じ込み、自身を省みることがありません。

何か問題が起こっても、自分は悪くなく、全て攻撃対象もしくは利用対象の人のせいだと信じて疑いません。

 

結局、疲弊する私を周囲が心配し、それまでのトラブルで被害にあった人たちが上に報告するなどして、私は部署を異動になり、その人と接触を断つように言われました。

その責任を巡って、部署は揉め、他の人事にも影響がでました。

その後、憤った相手から何回か攻撃のメールを受けましたが、

上層部との約束を守って、返信しませんでした。

ただ、その時の私はまだサイコパスとは何か知らなかったので、

相手は自分のしている事がわからないだけなのに申し訳ないと思っていました。

 

改めて上記のDMS-5の診断基準に照らし合わせると、

その人は2,3,4,5,7の項目が当てはまり、

反社会性パーソナリティ障害に該当すると思います。

 

私はこの障害に対してあまりにも無知だったため、

周囲に迷惑をかける事になりました。

 

私のように、対処能力が高くない人は、

しっかりと知識をつけ、

次にこのような人に出会ったときには、

うまく関係を避けるようにするべきだと思いました。

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