先日、20数年ぶりに手塚治虫さんの「ブッダ」を読み、改めて他の手塚作品も読んでみたくなりました。
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MW のあらすじ
主人公は、結城美知夫という、エリート銀行員。
が、裏では次々と誘拐や殺人などの猟奇的な行動を繰り返しています。
少年時代からの知り合いで、神父の賀来巌は、彼の罪を必死で止めようとしますが、
神父という立場から警察に彼の罪を話す事はできません。
そして、彼からの肉体関係の誘いを毎回断れず、結局は彼の反抗の手助けをする事になってしまいます。
彼ら二人がこのような結びつきを持っている理由は、知り合ったその島で、某外国軍の秘密化学兵器「WMガス」によって島民が悲壮な死を遂げているのを目の当たりにし、
自らも残ガスを吸って結城の人格が豹変してしまった事にあります。
結城は、
- 当事者達への復讐
- WM ガスの入手
という2つの目的のために、次々と残虐な犯行を重ねていきます。
MW の感想
このMW(ムウ)は、彼の作品の中でも内容が過激で、禁断の問題作とも呼ばれているそうです。
確かに、「良心の呵責」という、人間の最後の砦を失った主人公の行動はとても猟奇的で、背筋が凍るのですが、
なぜか最後まで目が離せず、何度も読み返してしまいました。
「良心」の一切を捨て、目的を達成するために一切の迷いもない結城に対し、
聖職者でありながら、結城の罪を止めることができず、彼の誘いを拒むこともできない賀来は、
結局は彼の犯罪に加担してしまうことになったりと、
彼ら二人の行動や結果がとても対照的に描かれていると思います。
「人間らしさ」について、色々と考えさせられる作品でした。
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