子供達のためにサブスクリプションしている「Epic」というアプリで、色々な本が読めるので、私も時々便乗して読ませてもらっています。
今回読んだ本は、
「Bill and Melinda Gates」
マイクロソフトの創業者、ビル・ゲイツ氏の半生と、妻メリンダ女史とともに立ち上げたビル&メリンダ・ゲイツ財団について描かれています。
テーマは、
「世界有数のお金持ちになったら、あなたはそのお金をどう使うか?」
お金持ちになったことがないので、そのような質問に対して本気で考えた事はありませんでしたが、今回は色々考えさせられました。
ビル・ゲイツの少年時代からマイクロソフト設立まで
まずはビルの少年時代。
ものすごく賢かったけれども、賢すぎて周囲の子供達とうまく関係を築けず、
学校でも家でも問題児扱いされていたよう。
両親は息子の教育に手を焼いて、高校はシアトルにある私学のLakesideスクールに通わせます。
初めはかなり嫌がっていましたが、個人の能力を伸ばす教育方針にマッチし、
結果的にかなり充実した高校生活を送りました。
気の合う友達、ポール・アレンとプログラミンググループを作り、
程なくソフトウェアを作る会社を立ち上げます。
その時、彼は15歳で、プログラミングを使った受注で20,000ドルを稼ぎました。
彼はそのまま高校を退学して会社に注力したかったようですが、両親の了承が得られず、ハーバード大学に進学。
相変わらずプログラミングに打ち込んでいましたが、
ある時、とある雑誌を目にしました。
それは、ニューメキシコにあるMITSという会社が、
「Altair 8800 マイクロコンピューター」
を作った、という記事でした。
当時、コンピューターはばかでかく、大きな施設などでしか扱えない代物でした。
Altair 8800は、小さな箱型のコンピューターで、
狭いスペースでも収納可能となります。
これに、未来の可能性を強く感じ、
ビルとポールは、そのAltair8800のソフトウェアを作らせてほしいと直談判しにいきます。
このビジネスが大成功し、ビルは2年生で大学を中退して、
ソフトウェア会社「マイクロソフト」を創業しました。
マイクロソフトの発展・結婚・引退まで
ビルは寝る間を惜しんで働き、マイクロソフト社はどんどん大きくなりました。
会社に入社し、活躍していたメリンダ女史と出会い、結婚します。
3人の子宝に恵まれ、大富豪となり、生活は充実していました。
一方で、マイクロソフト社は多くの批判にもさらされていきます。
それは、
強豪相手のアップル社の技術を承諾なく使用している、とか、
市場を独占して他の会社が参入できないようにしている、など。
遂に州から監査が入り、会社は裁判を受けることになりました。
マイクロソフト社は2つに分裂するよう迫られましたが、
数年に渡るヒアリング等の末、現状維持の了承をもらいました。
ビルは、この裁判で疲弊し、会社の重圧を感じたため、
マイクロソフト社のCEOを降りる事を決めました。
ビル&メリンダ・ゲイツ財団の設立と活動
引退後、ビルが手掛けた事は…
「裕福になったら、責任が伴う。
それは、社会のおかげで得た富を社会に還元する責任だ。」
という考えの元、
ビルは、妻メリンダと共同で、ビル&メリンダ・ゲイツ財団を設立しました。
ビルとメリンダは、財団のお金を、最も有効に使う方法について考え、話し合いました。
そして、「世界中の子供達の健康と教育」のために資金を使う事を決めます。
「ある日、読んだ記事に衝撃を受けました。
それは、貧しい国では、毎年何百人という子供達が、ある一つの病気で亡くなっている、という記事でした。
私は最初その数字はタイプミスかと思いました。
そんなにたくさんの子供達が亡くなっているのなら、もっと大きなニュースになっているはずだ、と思ったのです。
でもタイプミスではありませんでした。」
ビルとメリンダは、アフリカで十分な医療措置が受けられず、治療可能な病気で亡くなる子供達を救うために、財団のお金を寄付しました。
また、現地に趣き、活動を続けました。
2人はとてもお金持ちでしたが、
このような世界の問題を解決するのは、彼らだけでは無理だと言うことがわかっていました。
有識者と話し、グラントを作り、
専門家達がこの問題に取り組むための資金援助に注力しました。
また、教育の機会が得られない子供達のためのインフラの整備、アメリカの子供達のための学校設立にも尽力しました。
ビル&メリンダ・ゲイツ財団のテーマは、
「全ての人々は平等なので、成功するための機会を平等に与えられなければならない。」
というものです。
My view
ビル・ゲイツの半生については、今までも時折目にしていましたが、
今回は、ビルとメリンダの信念について特にフォーカスされており、色々と考えさせられました。
世界一のお金持ちになっても、そのお金だけで世界中の人々を救えるわけではありません。
では、どうすればいいのか?
この問いについて、2人は熟考し、そして賢い選択をしました。
財団のお金を、ただばらまくのではなく、
有識者と意見交換し、実際に活動する人達や研究する人達への資金援助という形で貢献します。
また、ある時はアフリカの学校にたくさんのPCを送ったそうですが、
実際に現地に赴いて、長いケーブルが幾重にも張り巡らされている部屋を見た時、
「彼らに必要なのは、このような箱型PCではなく、電気や通信環境などのインフラ整備だ」
と気づいたそうです。
ビル・ゲイツはたくさん本を読み、
有識者との意見交換の際にも、専門家顔負けの知識でディスカッションすると聞いていますが、
やはり、
「目の前の課題に対して、できる限りの情報を集め、
深く考え、積極的に行動する」
事が、賢い選択のために必須なのではないかと思いました。
私自身、毎日たくさんの小さな選択をしていっているわけですが、
彼らの姿勢を見習い、
自分の生活や人生の方向性などに取り入れて行きたいと思います。