先日、英語学習のカテゴリーを作ったので、私が長年お世話になっている教材を紹介したいと思います。
英語学習に関しては、大手英会話教室、オンライン英会話等、色々利用してきました。
それぞれにメリットがあり、その時々の状況に合わせて、色々組み合わせて学習していました。
それらのなかでも、この
「NHKラジオ実践ビジネス英語」
での学習は、他の英会話教材等と並行しながら、10年以上継続してきました。
実は、この記事を書いている途中で、「実践ビジネス英語」が今年の3月で終了するというアナウンスを知りました。
非常に残念ですが、今までのバックナンバーだけでもとても勉強になると思うので、紹介させていただきます。
NHKラジオ「実践ビジネス英語」を始めたきっかけ
中学高校で英語を勉強し、文法等はそれなりに理解していても、「英会話」は別の話。
大学を卒業し、医師として働いていた頃は、英語での講演があってもほとんど聞き取れず、
頭で思った事は、全然英語として口から出てこない、といった状況でした。
大学院に入ろうと試験勉強を始めた時、カンファレンスが全て英語で行われると知り、
「せっかく入学できてもカンファについていけなかったらヤバい!」
と、英会話の勉強を始める事にしました。
当時は、駅前の英会話教室に通い始めましたが、仕事に気を取られすぎていて、なかなかまともに英語学習に向き合えず、高い授業料をかなり無駄にしてしまっていたと思います。
大学院入試には受かり、4月から大学院生活が始まりましたが、そんな状況でカンファに参加しても、やっぱりよくわかりません。
「やっぱり英語ができないとダメだ。」
と痛感し、研究の勉強と並行して、英語学習にも本格的に取り組むことにしました。
同期で入ってきた人達の中に、英語がペラペラな人がいたので、英語学習について訪ねてみました。
その人は、医者になる前に外資系企業に勤めていたので、英語は必須だったとのこと。
彼女は別の方法で英語を習得したそうですが、彼女の勤めていた外資系企業の同僚のほとんどがこの「実践ビジネス英語」を使って英語学習を行っていたそうです。
私はその日から、「実践ビジネス英語」のテキスト/ポッドキャストの定期購読を始めました。
「実践ビジネス英語」とは
「実践ビジネス英語」は、NHKのラジオ番組です。
このタイトルでの放送は2008年からですが、前身の番組は1987年から放送されています。
- やさしいビジネス英語:1987年-2002年
- ビジネス英会話:2002年-2008年
- 実践ビジネス英語:2008年-
講師の杉田敏さんは、1987年の最初の放送から講師を務められており、途中2年間(2002年-2004年)の降板はありましたが、かれこれ30年以上、日本の人達に「生きた英語」を伝えつづけてくださっています。
毎週、水・木・金曜日に15分ずつ配信があり、2週間で1テーマとなっています。
ビニェットが5回分あり、最後の1回は、まとめの回で、その回のテーマについて杉田さんとヘザーさんとの会話等が収められています。
良質な英語を無料で聴く
音源は、ラジオを聞くだけだと無料です。
ラジオを聞き逃しても10日程は、こちらから放送内容を聞くことができます。
NHKのゴガクルを覗くと、キーフレーズ集のサイトもあります。
テキストとポッドキャストの定期購読がオススメ
ラジオやストリーミングだと無料で聞けますが、これだけで内容をマスターするのは難しいと思います。
私は、教材を購入し、毎朝30分間、声に出して読みながら学習しています。
教材の購読は、刷子と電子書籍、両方とも購入可能なのですが、
- 刷子だとだんだんかさばってくる
- 電子書籍の方がちょっと安い
という理由から、私は電子書籍にしています。
テキストの購読
購読申し込みは「雑誌のFjisan.cojp」から可能です ▼。
- 紙版:495円
- デジタル版:418円
定期購読は、休刊となってしまったようです。2020年度分はバックナンバーから購入できます。
これまでバックナンバーは1年間だけ入手可能だっがので、2020年度版も、来年にはアクセスできなくなると思います。
音源の購読
音声はポッドキャスト等で何回も再生して聞いた方が断然良いです。
私は、1.5倍-2倍速再生にして、通勤時や夕食の準備中などにいつも聴いていました。
2.5倍速以上にすると、だいぶ早送り的な音色になってしまうので、2倍速までにとどめています。
教科書で読んでいた内容は、やはりすっと頭に入ってきて、いつのまにかフレーズも覚えています。
ポッドキャストの定期購読は、「audiobook.jp」から可能 です ▼。
「実践ビジネス英語」の気に入っているところ
ビニェットの会話の質が高い
アメリカの企業に勤める日本人主人公と、その同僚との会話が主体となっていますが、彼らの基礎知識のレベルはかなり高いと思います。
世界情勢をいち早く取り入れた内容となっていて、記事を読むだけで勉強になります。
「私も、こんな会話ができるようになりたいなぁ」
と思わせてくれます。
Quote...Unquote
私が最も気に入っているコーナーです。
毎回、過去の偉人達の金言・格言が1つずつ収められており、その都度、はっとさせられます。
気に入ったフレーズは覚えており、友人との会話の中でもぱっとその文言が頭をよぎる事があります。
私のブログでも時折登場しています。
Our Magical World
これはテキストだけに載っているコーナーなので、知らない人も多いかもしれません。
が、私は大好きです。
Lisa Vogt さんが担当されていますが、彼女のエッセイはとても透き通っていて、綺麗です。
テキストを購入されたら、是非この部分も読む事をオススメします。
The Writer's Workshop
テキストの最後に載っています。
日本語で出題があり、それについて読者が英文を考えて投稿するものです。
私は挑戦したことはありませんが、
最優秀答案として紹介される文章にはいつも感心させられます。
そして、丁寧に解説されているので、文章を作る勉強にもなります。
最初は難しいと感じるかも
日本で友達にこの教材を勧めたとき、
「この実践ビジネス英語の会話は早すぎてついていけない」
と言われました。
確かに、「実践ビジネス英語」は、NHKの英語番組としては一番難しいレベルとされており、「C1」にカテゴライズされています。
私も利用を始めた当初は、「早くてついていけないな。」と思っていました。
でも、ポッドキャストで何回も聴いているうちに、そんなに早く感じなくなってきました。
2倍速にしても、「もっと速めたいな」と思うくらいです。
なので、最初「難しい」と感じても、我慢してしばらく継続することをオススメします。
ついていけるようになると、どの教材よりも良質な教材だと感じるんじゃないかと思います。
実際、アメリカで通用するか
先程述べたように、「実践ビジネス英語」は、NHKの英語番組では一番高いランクにカテゴライズされています。
ただ、上の表をみると、「C2」という項目があり、そこにはどの番組も表示されていません。
日本にいたときは「なんでかなー」と思っていましたが、
アメリカにきてその理由がなんとなくわかりました。
実際のアメリカ人同士の会話は、この実践ビジネス英語を2倍速で聴くよりも早く感じます。
実際早口の人も多いですが、ゆっくり話す人の英語でも、最初はかなり聞き取りにくかったです。
一番の理由は、ネイティブ同士の会話では「単語同士をリエゾンしまくる」からです。
日本の英会話教材中で繰り広げられる会話は、とてもキレイで聞き取りやすい発音ばかりです。
アメリカでも、ニュースや講演、マン・ツー・マンの会話等では、この実践ビジネス英語を勉強していれば大丈夫だと思います。
こちらが聞き取りやすいように相手が考慮し、単語をキレイに発音して話してくれるからです。
ただ、洋画で繰り広げられる会話を字幕なしで理解したり、アメリカ人同士の会話に混ざって雑談したり……
となると、日本教材のキレイな英語を聴いているだけでは難しいと思います。
なので、今私は別の方法もとりいれて勉強しています。
ただそれでも、この「実践ビジネス英語」は、それらの方法と並行して継続しています。
この教材が土台にあって初めて、他の学習法も活きてくるように感じるからです。
「どれか1つ挙げるとしたら、何を勧める?」
と問われれば、
私は今でも迷わず
「NHKの実践ビジネス英語」
と答えます。
「実践ビジネス英語」が3月で終了
ここまで強く推している「実践ビジネス英語」ですが、残念ながら今年の3月で終了するとのこと。
これまでのテキストは過去1年のバックナンバーのみ購入可能です。
バックナンバー購読 ▼
音源はまだ入手可能ですが、そのうち入手できなくなると思います。
過去1年分の音源は、CD化されたものが入手可能ですが、販売開始から1年間で終了となるので、そのうち入手できなくなると思います。(それまでに購入していたら、再ダウンロードは可能です。)
講師の杉田さんは、今後新たな語学講座「杉田敏の現代ビジネス英語」を始めるそうです。
どんな内容かはまだわかりませんが、34年間良質な英語講座を提供していただいた杉田さんなら、次も素晴らしい講座なんじゃないかと思います。
期待しています。